連載「はにわのフシギ」
東京国立博物館で開催中の特別展「はにわ」(朝日新聞社など主催)。目玉の一つが、修理後初公開の国宝「挂甲(けいこう)の武人」だ。切手や教科書にも登場し、NHK教育テレビの番組「おーい!はに丸」のキャラクターのモデルとも言われてきた。だが調べてみると、事実は少し違うようだ。はに丸のモデルは、実はほかにいた?
挂甲の武人は、群馬県太田市で出土したとされる。小さな鉄板をとじ合わせた「挂甲」を身につけ、冑(かぶと)をかぶり、弓を手にし、大刀(たち)をはいた姿はりんとして美しい。
この埴輪をもとにしたキャラクターとしてまず挙げられるのが、1966(昭和41)年に大映(現・KADOKAWA)が製作・公開した特撮映画の主人公「大魔神」だ。当時の大映京都撮影所の所長が、動き出した土人形が騒動を起こすヨーロッパの映画からヒントを得て、「巨大な古代の石像が大暴れする映画はどうか」と提案。時代劇と特撮が融合した映画は、1年の間に「大魔神」「大魔神怒る」「大魔神逆襲」の3作が作られるほどの人気になった。
特徴的なのは、挂甲の武人に…